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ごめんね、祐介 [捏造◆作文]

いつもながら、酷い扱いです。
いつにも増して、義兄虐待です(^_^;)
だ、大好きなんだよ、祐介、これでもアタシ!

言っておきますが、くだらないです。
ジョークを解する方のみ、ご覧ください。

……出来ることなら、義兄ファンの方、お怒りにならないで~(>_<)[あせあせ(飛び散る汗)]
というか、ウチには義兄ファンは敢えて訪ねていらっしゃらない、かなぁ(…どう?)


先だっての「やけくそアップ」の話は、書いてみたら重たくて、
当初思ったより長いネタになりそうです。
タイトルも改めて、後日きちんと完結させてアップします。
もうしばしのお待ちを……(^人^)
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 互いの公休が3週間ぶりに重なることが確定してから、おくびにも出さずに心中願を掛け続け(大事件よ、起きるな。もし起きても、雄一郎には派遣要請が来ない分野で頼む!) 祐介が指折り数えて待ちに待った八潮での逢瀬。
 ―――ところが。
 ドアを開けてくれた当初から、雄一郎の様子が変である。
「ああ、祐介」
 ああ、ではない。俺のほかに、たまの休みに誰が訪ねて来るというのだ。
 同時に、常時激烈な禁断症状に襲われている雄一郎欠乏症患者の、飢え切った目は見逃さなかった。ドア外に笑顔の祐介を認めた瞬間、雄一郎の顔をかすめて過ぎった痛みの表情を。
 いつもなら、ぶっきらぼうな出力2割5分の笑みに唇からちらりと真っ白い歯を零し、玄関先で早くも悩殺してくれるのに。どうしたんだ、その物言いたげな黙殺は!
 さっさと踵を返して先に立つ薄情な背中に向かい、胸裡では山とツッコミながらも、温厚にして篤実な義兄としての表面は決して波立たせない。灼熱の片想い歴18年の弊害は、もはや習慣として作動し、その都度ごとに意識に上ることもない。
 
 違和感は、食卓ではさらにその姿も顕わに、せっかくの二人きりの団欒に水を差してくれた。
「雄一郎?」
「……ん? 何か言うたか」
「心配事でもあるのか? 仕事の方は順調だと此方には聞こえているが」
「ああ、落ち着いとるよ。今日も予定通りに休めたやろ?」
 声音は穏やかに返しているが、目は見当違いの方角へ泳いでいる。話したいのはこんなことじゃない? 仕事関係じゃないなら、お前を悩ませているのは何ものなんだ。

 風呂上がり。差し向かいでグラスを傾ける、普段なら“沈黙もまた楽し”の値千金のひととき。
 それが今夜は、一口呷るたび引き替えのように雄一郎の零すため息が、祐介の心をかき乱している。無音を恐れるように、差し障りのない話題を選んで振るのは自分ばかり。雄一郎はまるで流し込むように杯を重ね、返事はすべて上の空。
 何なんだ一体!?――と。想いの天秤を自らの方に傾けまくっている者の怯懦をついにかなぐり捨て、問い質そうと向き直る。だが、雄一郎が己を見詰める、その上を行く思い詰めた表情に出会い、情けないことに祐介の勢いは一息に竦んだ。
 量を過ごしたウィスキーのためか、充血して潤んだ雄一郎の目が、ひたと祐介の面上に据えられている。百の思いを語る眸、なのに唇は色を失うほど噛み締められ、堅く縛された雄一郎は眸の中で苦しげだ。それを見ただけで、祐介の心臓は容赦なく絞り上げられ、呼吸も思考も儘ならない。
 ――もう許さん。さすがの俺もキレた。雄一郎がそんな心算なら、躰に訊いてやる!

 いつもならば、酒に酔わせ、甘言に酔わせ――というつもりは祐介の方だけで、実態は「恥臭さに理性を麻痺させ」だったかも?―― 念入りに丁寧に、濡れ髪を撫でるのから始める手順の一々を愉しみながらに雪崩れ込む褥へ、今夜は雄一郎の手首を掴んで投げ込んだ。
 慌てて身を起こそうとする雄一郎の、有段者とは思えない薄い胸板に、乱暴に膝で乗り上げた。痩身に秘められた瞬発力が跳ね返すより先に、両手首を封じ、うなじに顔を埋めて急所に一撃。
「ふ……っ!」
 弾かれたように息音を漏らす、その勢いのままに上体を反らせ、真っ白な喉を顕す。けなげな頸動脈が早鐘を打つのを唇に感じると同時に、祐介の頭にもかあッと血が昇った。
 返る反応も確かめず、噛み付くように体中に口づけ、手管の限りに追い上げる。
 相手の快楽のために辛抱強く奉仕するのが常の義兄らしからぬ、貪るような切羽詰まった手荒い愛撫に、雄一郎も常にない昂ぶりを見せる。事後には噛み締め過ぎて唇が紅らむほど、抱く側からすればじれったいほどに声を殺す彼が、喘ぐ息が早くも泣き声じみた切なさを帯びている。
 双方もう止められない、共に極みを目指す以外何一つ考えられなくなる頃、祐介は、本当に雄一郎が涙を降り零しているのを見て瞠目した。
 逃げられぬよう、悦楽の湿った中心に深々と楔を穿たれ、力の抜けた躰を揺すぶられるまま、閉じた目からぽろぽろと雫を零しているのは、確かに雄一郎だった。
 半ば以上喪心しつつ、一心に腰をうねらせる中から、「祐介……」と掠れた声が落ちる。
「祐介、すまない…」
 背を波打たせ、しゃくり上げながら、
「堪忍……」
 余りに強烈な快楽に気を飛ばし、己の指を咬んで怺えながら、
「ごめん、祐介……」
 うわごとめいた呟きが、エンドレスに繰り返される。
 祐介は最初、度が過ぎて耐えられない快感に、雄一郎が手を緩めてくれ、と懇願しているのかと思った。 
 が、ここまで追い詰めてようやく自制のタガが外れ、初めて出てきたのが己への謝罪とは……? ただごとならない雄一郎の様に、祐介は悩乱した。
 ――何を詫びている? 何をした? これからするのか? 
 ――これだけ俺に詫びなければならない、一体何を……?
 祐介の脳裏に、悪夢の中の悪夢とも言える像が、次々と浮かぶ。
《ごめん、祐介。好きな女が出来た》
《あんまりあんたが気の毒で、ほだされて付き合うて来たけど……》
《やっぱりこれ以上はもう無理や。今夜を最後に別れよう》
 虚像の雄一郎に向かって祐介の目がいっぱいに見開かれ、声無き悲鳴に口元が歪む。
「いや、まさか――」
《あんたより好きな男が……》
「隠し子を楯に、結婚を強要されているとか――」
 気がつくと祐介は、持てる想像力の限りに、自分を虐めていた。
 もうしばらく、雄一郎との愛情生活に穏やかに身を浸していながらも、幸せ慣れということが決して出来ない、祐介の悲しい性であった。
 もちろん、唯一真相を知る雄一郎には、かき口説く勢いで問い詰めた。それはそれは必死に取り縋った。だが。
 雄一郎は、終始物言いたげにしながらも、すんでのところで、「駄目だ、とても言えない!」と身を揉んで悶絶するばかりであった。



 そして、壮絶な一夜が明け。二人してヨレヨレになった未明。
 3回イかせて、朦朧とする雄一郎に、ようやく吐かせてみると。

「あんたの誕生日……先々月やった…」

 雄一郎は涙ながらに完落ちした。

「あんたは、俺の誕生日には毎年、三段重を手作りしてくれて、凄い桜が満開の誰も知らない穴場に連れてってくれて、二人っきりの花見をしてくれて。
 いつも俺の喜ぶものばっかり、凝ったプレゼントを、花束と小っ恥ずかしいセレモニー付きで渡してくれて。
 それから朝までフルサービスで尽くしてくれるのに~~」
 自らの罪状を切々と訴える雄一郎である。(それにしても義兄、お前そこまでしていたのか。)
「なのに、なのに、俺はケロッと忘れ果てていて。二人っきりの家族やのに、もう恋人も失格や~~!!」
 うわーーーん!と手放しで大泣きする雄一郎は、祐介にはいとけない2頭身に見えていた、かもしれない。
「気にするな……雄一郎」
 その頭をくしゃっとかき混ぜつつに、祐介はしみじみと言った。
「今の一幕だけで、俺は十分に腹一杯だ」
 疑わしそうに、涙でいっぱいの目で見上げる雄一郎に、誠実に言い聞かせる。
「たっぷり半年は寿命が縮んだ後、一気に天国の天井をぶち抜いたからな。これ以上の感激はあり得ないさ……」
 いつしか、祐介の双眸からも滂沱の涙が伝っていた。
「俺は本当に幸せ者だよ、雄一郎……」


 加納祐介。――つくづく、かわいそうな奴。


                                                  ◆おしまい◆
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ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい[あせあせ(飛び散る汗)]


……それにしても、祐介の誕生日っていつなんだ?
ひとつも分からんから、季節ネタも入れられんかった[ダッシュ(走り出すさま)]

雄一郎は4月生まれだけど、同い年で同学年で数ヶ月年長…って、いつやねん?(^▽^;)

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コメント 4

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青子

活字の義兄弟が読みた~いっ!
と、思っていたところでしたよ^^なんてタイムリーなんでしょう。
これだけでも十分なのに、なんて可愛いんだっっっ!!2頭身の雄一郎とか---!ああ、萌え死にそう・・・
おまけに可愛いだけじゃないところが、さすがげこさん・・・「躰に訊いてやる」!!!!・・・><もうだめーーーー

雄一郎が可愛いのは言うまでもないですが、義兄が雄一郎の心変わりをいろいろ心配するのって、可愛いなぁと思いました^^(義兄にはあまり使わない形容詞ですが)


最後は二人して泣いちゃってぇ。もう、あんたたち一生そうやってろー!と、笑顔で叫ぶわたしです(^^)


いつにもまして変です。すみません。相当「幸せな義兄弟」を求めていたようです。泣いてても、幸せな二人。そんな二人のお話を読めて、幸せなわたし・・・なのです。
げこさん、幸せをありがとうございました^^



義兄の誕生日。

きりっと寒い、しかしよく晴れた年明けの間もない一月のある日、美しい男女の双子が生まれた。

・・・な~んて?義兄の誕生日は、貴代子の誕生日・・・

by 青子 (2011-10-26 14:29) 

げこ

青子さまv
 
もはや定期便と化してますね~(*^_^*)
こちらも毎度スッカリ首を長くしてお待ちしてますぅ(プレッシャーはあかんっつの!)

ほんとは、コレ、コマ漫画にしようと思ってたんですが、
エンドレスごめんなさい雄一郎には、やっぱり入ってて欲しいと……ごほんごほん!(^m^)
ちょっとイラスト化するにはハードルが高かった(笑) 野望はあるんですが。

義兄、カワイイっすよねぇ? いや、ほんとに愛してるんですよぉ、私。
でも、この世ならぬ完璧な二枚目なればこそ義兄!と思ってらっしゃる
純粋な義兄崇拝者の方には、叩きコロされても文句は言えないよな…と覚悟をば(^_^;)

「一生やってろ!」は最高の容認の辞ですv 感謝深甚です(^人^)

年明け間もない…だと、やぎ座?
守護星は土星で小冥いサタン、着実で堅実な大器晩成、
向いている職業は教師、秘書、弁護士……なんてイメージですが。
詳しいな? いや実は、アッシも山羊なんですよ~~(すっげ嬉しいv)

でも、喜代子と祐介が星座判断じゃ同じ性格になっちゃう。それはあり得ないよな。
好きな男のタイプはバッチリ被っちゃったようですが(かわいそう…)

どうでも良さげな設定系に関しては、女王は冷淡ですが、
ファンはこんな重箱隅をあーでもないこーでもないするのが楽しいですよね♪

また遊んでやってください(〃^_^〃)
by げこ (2011-10-26 15:06) 

にきーた

誕生日と言えば、レゼントにテレビ!が印象深いこの元義兄弟。
雄一郎の誕生日が桜の季節ということで、三段重を作ってお花見が毎年の行事化していたのですね!

祐介が「幸せ慣れ」できないという文章を読んで、私、目頭が熱くなってしまいました。うぅ…見守り続けた時間が長かった故ですね。(その直前の箇所、「愛情生活」を「愛欲生活」に空目してしまったのはナイショ…w)

祐介は、二か月遅れの誕生日プレゼントに一体何を手にするのかなぁ。既に一番欲しかったものは手に入れていそうな気もしますが。

二人の幸せな日常を覗くことができて私も幸せ!なんだか甘いケーキ食べたくなっちゃいました(*´∀`*)

PS.髙村さん参加のシンポジウム、実は参加券が1枚余分に取れてしまいました。
げこさん、きっとご予定お有りですよね?
急ですし週末なので、主婦仲間で誘える方がなかなかいらっしゃらなくて…


by にきーた (2011-10-26 16:53) 

げこ

にきーた様♪

テレビ……貰ってましたねぇ~。今は底値が見えないくらい値崩れしてますが、
当時は高級家電だったのに! 見るヒマあるんか、警部殿?(^_^;)
ま、隣に座り込んでさりげに肩抱いたろーとか、肩を枕に寝入らせよーとか、
いろいろ妄想できるだけで、義兄には安い買い物やったんやろ~なぁ!
(だから、キサマがグレてどうするんやっちゅーねん!)

愛欲生活……、連呼してましたからねぇ、兵庫の山林で俺(^皿^;)
つい手が間違ってキー叩いても、あり得るかもしらん!(爆)

幸せ慣れできない、謙虚でおずおずした純情義兄が、いかにして脱皮を果たし、
愛欲まみれのイジワルな色事師ちゅーか、立派なサディストになって行ったのか、
ちうんが、「やけくそアップ」話の肝になって行くかと……
……いかん、「イク」言うて変換しよるぞ、このPC(^m^;)
このごろ、めっきり「下」が「舌」やし、「状態」は「上体」やし、
要らん知恵つけて、同じPC使ってる亭主がどう思ってるか、心配ざます(T_T)

誕生プレゼントだけで、またもう1本捏造できそうですがv(墓穴)
躰で払うばっかりかいのう、合田さん?(甘っっっっ!)

PSについては、ぜひまた後ほどv

こうなると、青子さんもぜひご一緒に、いつかランチ会でもしたいですねぇ~♪(^人^)♪♪♪
主婦らしく、平日昼に! でも話題は腐ばっかし(笑) 追い出されるわ!


by げこ (2011-10-27 00:40) 

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