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雄一郎only特効薬 [捏造◆作文]

どうした弾みか、捏造作文が止まりませんな~~(^"^;)
しかも、激甘風味がどんどんエスカレートしつつあるような……[たらーっ(汗)]

種を明かせば、冬休み終わるまで、日中のお絵かきがなかなかやりづらいもんで、
仕方なくワードばっか開いてる、という事情ではあるんですが。

まぁ、手先の肉体労働が多い捏造絵よりも、作文のほうが作業的にはラクと言えばラク?
……本気でことばを弄くりだしたら、そうも呑気なことばかり言ってられないんですが……
だから、いつにも増して砂糖漬けの些少な小品ばっかり[あせあせ(飛び散る汗)]
お粗末さまです!(>_<)
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 今にも雪か霙が落ちてきそうな寒空の下、蹌踉と帰り着いた雄一郎は酷く消耗した様子だった。
 深く刻まれた眉間の皺、玄関灯の薄明かりでは眼窩が落ち窪んで見える顔面はいつにも増して蒼白で、出迎えた祐介の顔には一瞥もくれず、無表情をうつむけて大儀そうに靴を脱ぐ。
「おかえり。風呂沸いてるぞ」
 声を掛けても答えも返らず、床を這う視線は上向かない。
 如何に想おうが自己完結するしかなかった以前とは違い、己を見ればほっと貌を和らげる雄一郎を日々目の当たりに、少しずつ自信を培ってきた祐介には、この現状は面白くない。横を通り過ぎる肩を捕まえ、確信犯で“おかえりのキス”を仕掛けた。
 無抵抗に体を傾がせながらもぴくりと癇性に眉を寄せた雄一郎だったが、そのまま顔を傾け、祐介の唇を無造作に受けた。これがまた、祐介には愉快ではない。
 いつもなら、まだ刑事の顔を引き摺っているうちにそんな悪さを仕掛けようものなら、ふて腐れるかケンもほろろに躱されるか。いずれにせよ、雄一郎らしい楽しくも愛らしいリアクション、というものがあるのだ。
 ――こいつ…、あしらうのも面倒だと?
 ほどほどに応えたところで離れていこうとするのを、体温をあらかた失った顎を掴んで、さらに深く重ねる。舌先でのノックも黙殺し一向に熱のこもらない唇よりも、尖った頬骨の感触のほうが触れる指に痛いような。瞑られたままの青んだ瞼を近々と覗き込みながら、今回は一体どれほどキツい山だったのだろう、と雄一郎の心身を案じずにはいられない。
 苛立たしげな唸り声一つを落とし、ついに腕の中の雄一郎が身を振り解いた。ため息をついて後を追うと、食卓の傍らにその姿があった。
「何だ、それは」
 立ち尽くした影は、手の中の鎮痛剤を無言で示す。
「そっちは?」
 反対の手には、冷蔵庫から掴み出した缶ビール。
「酒で薬飲んだらラリるだろうが。大体、それ以上体を冷やしてどうするんだ」
 相も変わらぬ我が身構わずの惨状をたしなめると、
「今日は……ずっと、頭痛が酷くて…――」
 途切れ途切れの息音のような、それでも言い訳にしても、今夜初めての雄一郎の声がようやくに聞けた。
「この馬鹿……」
 ちょっと目を離すと何をやっているんだか。無軌道というか不器用というか無防備というか――、何にしろ、生存能力が高いのか低いのか、どこまでも分かりにくい奴だ。呆れて痛々しくて愛おしくて言葉も無い。
「薬なんかより風呂だ! とにかく温まって人心地つけろ」
 有無を言わさず、風呂場へ連行する。外気と同じだけ冷え切った重いだけの衣類を引っ剥がし、湯船へ放り込む。抗議するヒマも与えず、湯に浸かっていない頭にまでざぶざぶと湯を浴びせかけてやった。少しは応えろ、この万年心配の種め。俺こそ頭痛がしそうだ。
 しばし見守っていると、ようやく血の色を取り戻した唇から、ハァ…っと吐息が漏れた。目の色も少し柔らかさを取り戻し、湯気に濡れた睫毛をほたりと瞬く。その無垢な生き物そのものの素直さに、胸がきゅうっと絞られる。
「頭痛は?」
 尋ねると、はっと目が瞠られた。
「あ…れ……?」
「収まったろう。お前ったら、寒いからって歯をあんなに食い縛ってたら頭痛だって起きるさ」
 苦笑しつつ、髪を掻き混ぜてやると、黙り込んだまま目を伏せたが、照れたようにちらりと白い歯が零れた。
 もう我慢出来ず、髪を掴んでやさしく上向かせた口を吸う。今度は温かな唇がすぐに綻び、おずおずと舌が絡んでくる。呼気を逃がしながらその間も惜しんで味わう、混じり合う唾液がこの上なく甘い。
 くぐもった呻きを喉で噛み殺した雄一郎が、堪らなげに腕を首に巻き付けてきたが、「服が……」と慌てて解いて身を退いた。ふふ、もうとっくにびしょ濡れだというのに。邪魔物はさっさと脱いで洗濯かごに放り込み、自分も風呂に乱入する。
 ざぶりと湯が溢れるのも構わず、狭い風呂に無理矢理浸かる。どうしたものかと戸惑って目を逸らす雄一郎の困り顔を愉しみながら、抱き取って膝の上に向かい合わせにその身を据えた。目線を此方へ戻せない横顔に鼻先を擦り付け、髪を掻き分けて見つけ出した耳に、囁きを吹き込む。
「交通至便な官舎を置いて、方角違いの八潮くんだりまで来ているんだ。お前がそういう可愛い顔を始終見せてくれないと、わざわざ足を伸ばした甲斐がない」
「な……っ!」
 そうそう。冷やかされて気色ばむ時の朴直で初々しい反応も、己の大好物の一つだ。必ず怒らせると分かっていて、語彙を駆使しては甘言漬けにするのは、愛らしい反抗を見たいがために他ならない。
「こんな逃げ場もないところでそんな憎たらしい態度、大丈夫なのか?」
 楽しくて、くすくすと押さえきれない笑いが零れる。耳元で笑われて、擽ったそうに身を竦めるのを追いかけて耳朶を咬む。あッと一瞬凍ったところをすかさず首筋へ辿り、そちらへ気が逸れた隙に、脇腹を支えた手を滑らせて両の乳首へ悪戯をしかける。指の腹でくりくりといたぶれば、たちまちに凝って可愛い手応えを返すのも愉しいが、同時に、「はぅ…っ」と声なき声を発して弓なりに反る体の、熱を帯びて色付く喉元を狙うのも堪えられない。攻めの手も休ませぬまま、滑らかに薄い皮膚を痕が付くほど吸い舐ると、全身に電気が走ったように戦きが伝わり、
「あ……ぁ…、はぁ……っ」
 と、ついに耐えかねて腕の中の痩躯が歌いだす。
 こうなると、アクセルを全開に踏み続けるのは雄一郎の方だ。理性が壊れかけの中途な状態が一番居たたまれないらしい。目を閉じて折れんばかりに身を撓らせ、一心に感覚を追うさまは、いじらしいほどひたむきに見える。
「あ…っ、あ…っ、ゆう、すけ…――」
 たまの逢瀬の機会にも常にお目見え叶うとは限らない、可憐極まる素直なSOS。
 ああ……、このまま君を頭から全部食べてしまいたい。凶暴な衝動さえ覚える刹那、紳士な恋人を装った下で目が眩む。
 代償行為に、切なく息づく窪みへ、待ちかねたとどめを打ち込んでやる。馴れぬ場所での強行な成就に、瞬時身を固くするが、程なく馴染んで息を合わせてくる。湯の中では四肢を絡み合わせ、雄一郎の熱い身裡では襞が絡みつき、繋がり合う悦楽を律動の中で満喫する。
「ハ……ぁっ! …くふゥ」
 ぶるっと身を震わせた雄一郎が、ややあって、肩にくったりと頭を落としてきた。忙しなく息をつきながら、力の抜けた総身に断続的に戦慄を走らせる。烈し過ぎた快楽の余韻だろうか、震えを鎮めてやりたくて温かな薄い肩を抱き込むが、随分と長いことその身は震え続けていた。

 危うくそのまま眠り込み掛けた雄一郎を、どうやら水揚げしてベッドに運び込んだ。寝間着を着せてやって、布団でくるんでやると、ようやく目を開くなり毒突き始めるのが彼らしさの本領発揮というか。
「そうや……、そもそもが今日は頭痛が酷くて……」
「もう治ったろう?」
 俺のおかげで、と指摘してやりたいところを、ご機嫌取りに黙っていてやったのに。
「だから、薬飲んですぐ寝よ思うて帰ったのに……とんだ計算違いや」
 おや。何だか雲行きが怪しい?
「何や、余計くたびれた……」
 心なしか、恨めしげな上目遣いが突き刺さって来ているような。
「いいじゃないか。薬より味は甘いし効果覿面、おまけに副作用の心配皆無。さらには翌朝まで完全看護付き」
 開き直って、仕上げのキスを強奪しに行くと、
「調子に乗るなっ!」
 ばふっと手のひらが己の口に蓋をした。そうだな、馴れた寝床で第2ラウンドも悪くない。
 こと雄一郎に関して、懲りるということを知らない祐介は、布団から覗く綺麗に朱の差した頬から耳を愛で眺めながら、繰り出す次なる甘言を練り始めていた。


                                          ◆エンドレス♪エンド◆
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この、「寒さに歯を食い縛り過ぎて偏頭痛」というのだけは、げこの実体験のまんまです。
セガレの習い事の送迎で、真っ暗な中をチャリでかっ飛ばしてたら、頭痛がガンガン(-_-#)
でも、我が家には生ける美貌の特効薬なんか居ませんから、速効クスリ飲んだよーーーっだ。
ちっくしょう! こいつら……、誰か何とかしてやって!! と言いつつ捏造は続く……_| ̄|○

あああああ、茹で雄一郎、可愛いよう~(>_<) 一生に一晩でいいから、義兄!俺と代わってくれ!!!
タグ:蜜月期 八潮
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コメント 2

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青子

雄一郎、か、か、可愛いっ・・・・・(はぁはぁ)
もう犯罪じゃないっすか、この可愛さはっ~~~~~><
ああっ、この夜の義兄に憑依したい!!!

おまけにわたしのツボを押しまくり。
ここ、ここ、ここなのよー^^
自分でもどうしてこうも病気ネタと一夜明けのよれよれネタ
(義兄が雄一郎を看護する)が好きなのか?理解不能なんですが、もう、ストレートど真ん中です。
昨年末の「後朝」も、PCの前で悶絶しそうに喜んでましたし。
年を跨いで満腹です^^激甘、万歳!

頭痛。私も7、8年前まで頭痛持ちでした。
酷くなると坊主の相手も出来なかったなぁ・・・
こんな特効薬がありゃあね、頭痛も楽しかろ(どういう理屈だ・・・)
雄一郎、あんた幸せだよっ!

冬休み、この連休をやり過ごせばやっと終わりますねぇ。
日頃いない人間が日中家にいるのは、なんか落ち着きません(鬼母っ)
早くいつもの日常に戻って、昼下がりの腐サロン復活したいものです。
あと2日・・・。



by 青子 (2012-01-08 02:30) 

げこ

青子さま~\(^^@)/

おいでなされませ~!(す、す、スゴい時刻……丑三つ時ではないですかっ)
ウチは私だけド寝坊して、今時分一仕事終わってようやく一息ついたところです~。

さすがに年末年始は気もそぞろで、ちょこちょこと小ネタばっかり上げてましたが、
やっぱり反応いただけるとやり甲斐というか、張り合いというモノが違います…
とっても嬉しいです、ありがとうございます~~/////(照…)
もう開き直って、甘党のありんこマダムが集う昼下がりの腐ったサロンということで
生きて行こうかと(^人^)

合田さんヨレヨレ状態が大好物、という同じ病の人がいてくださって幸せですv
(リアルご近所だともっと至福だったんですが……ランチ代お茶代で破産する??)
それってでもどうなんでしょうね、弱った合田さんに襲いかかりたいドSなのか、
グロッキー合田さんに同化して癒やされたいドMなのか。
……激しく義兄にバトンタッチ迫ってる辺り、ドS容疑濃厚?(^"^;)
でも、一度許可したら、合田さん2万人くらいにマワされちゃう……(爆)

私もちょっと寝不足が込むと目眩もダブルで偏頭痛が来ます!
けっこう頭痛持ちなんで、そろそろ来るな……と分かって無理は控えるんですが、
鎮痛剤は常時大箱で完備です。←【情事おおばこで甘美】って変換するし、このPC!

そうですね、あと2日! でも長女が宿題ラストスパートで大騒ぎ!!!
なぜこんだけ溜めるかな!?(^皿^;)
by げこ (2012-01-08 11:25) 

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