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第3話「失踪」 [読書日記]

 相手はお偉い一課のばりばりだが、本庁の武道場で竹刀を通じて知り合ったよしみで口をきくようになった。若手にしては、吉原のようなマル暴の化石と渡り合う度胸も誠意もある。

  本庁四課の吉原警部、主任と電話しながらさらりと人物評。
  主任を囲むおっさん方の合田評には、異様に鋭かったり適切だったり
  味わい深いものが多く、侮れません[るんるん]
  それにしても、「一課のばりばり」に「若手」…… 色々な意味で涙します(T_T)

 水浸しになっている床を見ながら、雑巾一枚を持ち出してそれを拭く気持ちにならないこの俺を見てくれ。
 ……
 もう腹を立てる気さえ起こらず、テーブルに足をあげて腰を据え、あらためてウィスキーをすすり始めた。ちらりと水浸しの床を見、拭かずに放っておいたらどうなるだろうと考えた。キノコでも生えるんだろうか。

  …義兄が生えてきます[黒ハート]

吾妻:大臣からひと声かかったら、迷子でも捜査本部を立てられるって法律があるんだ。知らねえのか、お前。
 ……練馬署の幹部連中は、こんなろくでなし揃いの本庁組など呼ぶんじゃなかったといった顔を見合わせていた。

幹部:「時計がある!」 吾妻:「そんなもの、ほうっトケイ!」

  幹部の方々に同情しつつ。好きだぁ~、ペコさん[ぴかぴか(新しい)] 毒舌バリバリ、でも駄洒落オヤジ。
  思っっ切し頭切れて、ちょっと格上から合田さんをフォローしてくれて、凄く頼りになって。
  でもやっぱり私生活ボロボロ。けどマイホームパパ。そんで童顔(^_^)

 やってはならないことをやり通す情念の強さと爆発力には、言葉がなかった。自分とて機械ではなく、又三郎以上に感情も欲望もあるのに、発露の仕方が違い、結果の出方が違う。そのことに、うちのめされた。理性では一蹴しながら、嫌悪や嫉妬の塊に火がつく思いがした。
 女に吐かせた……? なんてことをするのだ。なぜ、そこまでするのだ。

  又三郎が、組長の女と関係してまで情報を得たことを知って、動揺する主任。
  ……なんだかんだ、潔癖ですね~、こと男女関係については特に。
  何だかオボコくて かわゆい[かわいい]

  このあと、所在不明の又さんを救出せんと、日頃はてんでんばらばらの七係が
  瞬時に一枚岩となって暴走するのが、凄くイイんです。
  「後生だ」と電話口で吉原警部をかき口説く合田さんにゾクゾク…[黒ハート]
  でも、お蘭と二人でやらかしてくれた《ストッキング強盗》は見たくないぞ……

「俺はな……自分が情けねえのよ」
 そうは言うが、又三郎なら、数日たてばきっとケロリと開き直っている。何もなかったような面で、肩で風を切って現場に飛んでくるだろう。
 ふと、そんなことを考えた自分が気恥ずかしく、合田は傘をベッドに置き、早々に退散した。

  どうにか助かったけど、さすがに珍しく自己嫌悪の又さんに、主任の内心。
  森くんを評価してあげてる時もそうだけど、言ってやれよ主任~、いっぺんぐらい声に出してぇー。
  ま、易々とそんなことしない、出来ない合田さんが大好きなんだけど!
  
  深川署へ足を運んで、保管されてた又さんの傘を貰い受けてやり、署の洗面所で
  手ずから洗って拭いて巻き直してやり、昭和大附属病院まで届けてやり。
  そして黙って置いて返る。
  合田さん、照れ屋さん。なんて可愛いカッコ良いの~!

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